眠れない夜を抱いて
第4章 瀬戸際の優しさ
だけどやっぱりそれは一瞬の事で
むしろキスをした事で更に煽ってしまったらしい
「やだ、や、あ、ぁあ…っ」
無理矢理に俺を抱き起こし、深く突き上げられてまだ奥があったのかと思い知らされた
苦しいのに、身体は相葉さんを求めて離さない
「…っ、やぁ…!」
間近に見た相葉さんの咥内に、番にさせる為の牙が覗く
普段は隠れているそれが見えたと言う事は、俺を強制的に番にする意味だ
それだけは嫌だ
相葉さんの事は嫌いじゃないけれど、まだその関係にはなりたくない
いいように揺さぶられながら、相葉さんの唇が顔から耳に移動する
「ダメ…っ、やめて、やだ…!」
それが項に辿り着いた時、口先でしか抗えない自分に絶望的な気持ちになった
番関係を結んでしまえば、αからしか解除は出来ない
発情期はなくなるとは言え、実質的な自由はなくなるのも同然で、今までの自分を殺す事になる
「やだ…っ!」
「…っ!!」
ぎゅっと目を瞑って襲う筈の痛みを待つしかない自分は、…Ωは
αの前では無力でしかないんだ