眠れない夜を抱いて
第5章 揺れる。
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「本気で言ってんのかよ」
コポコポと小気味良い音を立て、コーヒーの香りが広がる部屋
その穏やかな空間に不似合いな程呆れた顔をしてるのは、…親友より深い繋がりである大野さん
「だって……」
その細められた目に首を竦めて、視線をテーブルに移した
相葉さんとの、あの一件がどうしても自分の中で収集付かなくて、結果大野さんに頼っている
勿論事細かくは言わないけれど、大野さんの事だ
どうせ感付いているだろう
「けど、相葉くん以外に番って考えられんの?」
ー…相葉さんではない人が?
そんなのは考えられない
「……」
だけどどうしても、まだ怖い
だってまだ、相葉さんの事をそこまで知ってる訳じゃない
むしろ、何も知らない
…知ろうが知るまいが、噛まれてしまえば番関係は成立してしまうけれど
そうなってしまえば諦めるのかも知れないけれど
一方的な関係にはなりたくないと思う俺は、まだ自分の性を甘く見ているのだろうか