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君と見たあの星

第2章 10年前の七夕




「だ、だって…天の川に掛かる橋が…雨のせいで消えちゃうから…」


俺は泣きそうになるのを堪え、途切れ途切れに彼女に言った。

すると、俺の頭にそっと彼女の小さな手が置かれた。


『大丈夫だよ。この雨はね、彦星様と織姫様が会えて嬉しいって涙の雨なの。だから私達はおめでとうって笑ってあげなきゃ駄目なんだよ』


彼女は優しく微笑み乍そう言うと俺の頭を撫でた。



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