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「どうしよう……」

琥珀は敷かれた絨毯の上にへたれ込み泣き出す始末。

朱夏だったらもっと上手くやったはず。

そんな琥珀を他所に汗まみれの俺はとにかく風呂に入りたかった。

チェックインしたのと同時に溜め始めたバスタブのお湯がそろそろいい塩梅になってきている頃だろう。

「風呂入ってくる。怒られるのが嫌なら帰れ」

半分は本気で半分は口から出任せの発言。

琥珀の表情を窺うことなく俺は浴室に向かった。

まず水を浴びる。

容赦なく冷たい水がシャワーから放出されるが、それがかえって心地いい。

身体全体と頭を洗うと、バスタブに飛び込む。

このラブホの風呂は広く、俺らが御用達にしている理由のひとつである。