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COLOR’S~殺したのは私~

第11章 一茶VS琥珀(ISSA SIDE)③

一度だけ他の低価格のラブホに浮気したことがあったが散々だった。

風呂が狭いだけではなくタオルの数も少なく、クリーニング済のベッドシーツに染みがあったりと部屋の雰囲気に嫌悪感さえあった。

この風呂は俺の身長二つ分の広さで泳ぐ真似事も出来たりする。

朱夏は次第に開放的になり、先日この部屋へ訪れた時もバスルームで裸の状態でふざけあっていた。

琥珀は帰ってしまったか。

それとも部屋で未だにメソメソ泣いているか。

優しくするつもりだったが琥珀は何を言いたいのか何をしたいのか全く理解出来ず、それに伴い苛立ちだけが先行してしまい俺は怒り口調になる。

ここまで着いてきて、俺だけが風呂に入って終了かよと自分にも琥珀にも腹を立て、ジャバジャバと音を立てながらバスタブの隅から隅までを何往復もした。

「ブファ────ッ!」と顔を上げるとタオルで前を隠しながら俯いている琥珀が立っていた。

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