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COLOR’S~殺したのは私~

第14章 一茶VS碧海(ISSA SIDE)①

碧海の部屋は色気も素っ気も無く、勉強机とベッドが置かれているだけで殺風景だった。

建築上、碧海の部屋の窓だけから向かいにある俺の部屋が見える。

「お待たせお待たせ」

部屋の窓から外の様子を窺っていると、汗が滲んだジャージを着て髪の毛がボサボサの色気には無縁の碧海が帰ってきた。

「おせーよ」
「ごめんごめん。遅いついでにシャワー
浴びてくるわ」

碧海はテニスラケットと大きなバッグを部屋に放り投げるとシャワーを浴びに行った。

碧海は勉強もスポーツも三姉妹の中では群を抜いて万能であり両親からの信頼も厚い。

欠点と言えば、男勝りでありながら何を考えているのか分からずクールな所も見え隠れする。

身長以外は俺より全て勝っている碧海は三姉妹の中で一番苦手とする存在でありコンプレックスすら感じている。

俺に勉強を教えるというのも俺と碧海の差を見せつけたいのかと思ってしまう。

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