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COLOR’S~殺したのは私~

第26章 朱夏VS一茶(SHUKA SIDE)④

「一茶のこと独占したいんでしょ?」

碧海が私に耳打ちして、私はあっさり頷いた。

「やっぱり一茶は朱夏のこと好きだよ。ほら、
こっちをスッゴク不安そうな顔して見てるよ」

一茶に背を向けている私は向き直り、様子を窺った。

今にも泣きそうな表情を浮かべていた。

でも琥珀がちゃっかり一茶に膝枕をしてもらっている。

私も不安になる。

「一茶優しいよね。本当は琥珀なんかに膝枕
したくないのに。見てよあの顔。スッゴク嫌そう」

碧海は私の不安な表情を読み取ったのか。

確かに一茶は嫌そうな顔をしているようにも見える。

「応援するよ。朱夏のこと」
「え……でも私は……」

碧海が味方になってくれるなら心強い。

でも私は碧海を裏切ってしまった。

琥珀も裏切った。

同じ裏切りだったら……いいよね。

私が碧海に味方してもらっても。

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