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COLOR’S~殺したのは私~

第31章 朱夏VS一茶(SHUKA SIDE)⑤

ハンバーガーを食べながら、職場の誰がどうだとか最近のお笑い芸人とか他愛もない話をする。

食べ終えると決まっているかのように助手席のシートを倒され……抱かれることになる。

博巳に抱かれている間は一茶のことを忘れられた。

好きな人のことを忘れられるという感覚は私にとって有り難かった。

ひとりの人を想い続けるということが苦しかった。

耐えがたかった。

抱かれた後は容赦なく現実に引き戻される。

「博巳……もう一回したいな」
「俺もそう思ってた」

博巳は嬉しそうに私を受け入れる。

一茶のことが好きで苦しむくらいなら博巳に抱かれ安らぎたい。

こうして私は心のバランスを保ち続けた。

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