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COLOR’S~殺したのは私~

第31章 朱夏VS一茶(SHUKA SIDE)⑤

翌日の夜、一茶が私の部屋の玄関先で私の仕事帰りを待っていた。

「どうしたの?電話くれれば良かったのに」

不安で不安で私に会いたくて来てしまったということか。

しかし一茶は虚ろな表情をしていた。

「大事な話がある」

大体こういう話の切り出し方をする場合は、いい話ではない。

実は琥珀と……いや、無い無い。

一年前、あの凄まじい光景を一茶は目の当たりにしている。

思い出しただけでも吐き気がする。

「とりあえず入ったら?」

一茶を部屋に通した。

「ビールでいい?」
「あ……うん……」

一茶は車で来ている。

ビールを飲むということは泊まっていくということ。

だとしたら悪い話ではないのかもしれない。

冷蔵庫から缶ビールを取り出すとグラスに注ぎ一茶に手渡した。

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