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COLOR’S~殺したのは私~

第5章 一茶VS朱夏(ISSA SIDE)②

「私」ではなく「私たち」という三人称を
あえて使用したことに三姉妹の絆というか
協定を結んでいることが窺える。

『一茶を共有することにした』

朱夏は三姉妹の約束事を守ろうとしている。

しかし、それを崩さない限り先には進めない。

「俺も朱夏が好きだよ」

朱夏の膝の上に置かれた手をやんわりと握る。

厳密に言うと「朱夏も好きだよ」である。

この時点ではまだ俺の三姉妹への想いは
平等であり横並び状態。

「私……も……一茶が好き……だから……
その……」

朱夏は「私たち」と三人称を使用せず
俺が握っている手をするりと抜くと
その手を俺の手の甲に重ね強く握った。

「だからの続きは?」

俺の胸の鼓動が再び高鳴る。

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