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COLOR’S~殺したのは私~

第5章 一茶VS朱夏(ISSA SIDE)②

気の利いた台詞ひとつも言えない俺。

まだ17歳のガキだからだと自分を慰める。

朱夏は返事もせずに布団の中をもぞもぞと動く。

多分俺の方を向いている。

俺も朱夏の方に身体ごと向く。

それは思った以上の近距離だった。

10センチにも満たない間隔で唇を突き出せば
届いてしまうだろう。

朱夏は意を決したように目を閉じた。

この流れでキスをして胸に触れ揉んで
それからそれから……どうすればいいんだ?

女の先輩とSEXした一年前
俺はどの様な立ち振舞いをしていた?

半ば強引に襲われただけに立ち振舞いも
クソもないじゃないか。

俺はこのクローゼットの中で身を潜めている
童貞野郎らと、さほど変わりはないんじゃないか。

もう……どうにでもなれ!開き直ることも大切だ!

しかし極限の緊張状態からか身体が硬直してしまいその結果、唇を突き出すという最も無様で
情けない姿を晒すことになってしまった。

悟史も哲也も腹抱えて笑うんだろうなぁ……

朱夏の唇に俺の唇が重なろうとする
まさにその瞬間だった。

「ブゥェ~ックション!!!」

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