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COLOR’S~殺したのは私~

第5章 一茶VS朱夏(ISSA SIDE)②

明らかに俺でも朱夏でもないくしゃみ。

朱夏は閉じていた目を大きく見開いた。

俺は咄嗟に言ってしまった。

「おッ……俺のくしゃ……」
「じゃないよね」

朱夏は俺の嘘に喰い気味で反論した。

そして布団を剥ぎ、ムクッと身体を起こすと
クローゼットの方へ音を立てズカズカと歩き
扉をガバッと開けた。

「しゅッ……朱夏ちゃん……こんばんは……」
「悟史ぃ……おまえがくしゃみなんてするから」

クローゼットの中で体育座りをしている二人は
完全に萎縮していたが
そんなしおらしい様子の二人には
当然ながら有無も言わせず
朱夏は二人を順に引きずり出した。

「一茶……あんたもだよ」
「……ですよね」

ベッドに座り脚を組む朱夏の前で俺らは
横並びの状態で正座をさせられた。

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