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COLOR’S~殺したのは私~

第1章 プロローグ

女は一茶から取り上げた缶ビールの
プルトップを外し半分ほど飲み干した。

「あの女を選んだ決め手は?まさか顔なんて
言わないよね」

白石家の三つ子の姉妹は
身内ですら間違えてしまうほどよく似ていて
他人に至っては区別すら出来なかった。

しかし他人の中でも幼馴染みの一茶だけは
三姉妹の見分けがついた。

「俺だけを一途に想っていてくれた。
だから応えてあげたいんだよ」
「そんなのうちらだってそうだよ。
ずっと一茶のことだけ好きだったよ」

女の言う『うちら』とは
この女と、三姉妹のもう一人のことである。

「おまえらは違うだろ?それに俺は
あいつを……あいつだけを好きになったんだ」

一茶の言う『おまえら』も
女の言う『うちら』と同様である。

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