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COLOR’S~殺したのは私~

第1章 プロローグ

「だったら……約束はどうなるのよ」
「約束?」
「初めて一茶とエッチした時……私のこと
一生大切にするって言ったよね?」

女は何年もの間その言葉を信じ
励みにしてきた。

「そんな昔の話……いちいち真に受けるなよ。
その場の雰囲気で言っただけだ」
「一茶さぁ……言ってくれたよね?
ずっと私と一緒に居たいって。それって私と
結婚するっていう意味じゃないの?」

女は缶ビール片手に一茶に詰め寄る。

「……帰るよ。とにかく俺はおまえとは
結婚出来ないから」

四つん這いでトンネルを出ようとする
一茶のTシャツの裾を女が掴んだ。

「嘘つき!逃げないでよ!」
「おまえにどう思われようが構わない。
とにかく放せよ」

女はTシャツを放さず必死に喰らいつく。

「あの女に会いに行くんでしょ?」
「俺の勝手だろ!おまえのそういう所が
嫌いなんだよ!」

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