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不妊症だと公言していた宮路所長の妻である靖子さんの妊娠を告げられた。

私はそれほど落胆はしなかった。

靖子さんが不妊治療に通っていたことも知っている。

「それは良かったですね。おめでとうございます」

靖子さんが妊娠したからといって、宮路所長と私の関係は何ら変わらない。

「それで……なんだが……」
「どうしました？」

宮路所長は一度も私と目を合わさず、相変わらず視線の先にある公園を見つめている。