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COLOR’S~殺したのは私~

第50章 琥珀VS一茶(KOHAKU SIDE)⑧

『ドンッ』

焦って階段を降りる私と階段を上る男性が鉢合わせしてしまいぶつかってしまった。

「すいません!……て……琥珀さんかぁ」

この男性……確か隣の204号室に住む浪人生。

浪人生というのは一茶から聞いた話である。

遭遇すれば会釈程度で面識もほとんど無い私を名前で呼ぶなんて。

「僕ですよ。僕」

浪人生は眼鏡を外した。

むしろ眼鏡を掛けていないと誰だか分からない。

それにしても妙に馴れ馴れしい。

浪人生は眼鏡を外したまま一方的に話し出した。

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