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COLOR’S~殺したのは私~

第62章 一茶VS朱夏(ISSA SIDE)⑤

俺と朱夏はこれから映画を観ようとしていて、上映されるまでの間ロビーで時間を潰していた。

「今して」

人目も憚らず朱夏は目を閉じキスを求める。

不安の表れだということは分かってはいる。

回りの様子を窺いながら一瞬だけ唇を重ねた。

「これだけじゃ足りない。もっとして」
「朱夏……後でゆっくり……」
「見られたら困るの?」
「困りはしないけど……」

朱夏の羞恥心は不安によって掻き消されているようで、今日に限らず公の場で毎回キスを求められる。

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