硝子の指輪
第2章 隙間から除く谷間
「はい?」
「あぁ、さ、酒の量?多いなーって」
「え?いつもと変わらないかと…?」
前の席に座る彼女は後輩の橋田珠ちゃん。通称橋田ちゃん。童顔で細っこい子である。
俺の図体がでかいだけかもしれないが。
「先輩不思議なことよく言いますよね。天然?っていうか…なんというか…?」
いや、今のはちょっと作為的。
と言いたい理由が勿論存在する訳だ。
彼女のシャツ、前開きすぎて胸の谷間がチラチラと覗かせている。目を入れようとしなくても勝手に視界に入ってくるような…男の性か。
「先輩これ美味しいですよ」
俺の目の前に今、彼女が口をつけたばかりのロックの梅酒。
ゴクッと一口。
酒の強い俺でもわかるくらいアルコールを感じた。
「…これすごいアルコールキツくない?」
「えへ?そうですかぁ?」
…!
酔ってるじゃん!