硝子の指輪
第2章 隙間から除く谷間
「ねぇ…」
いつもより酔いの早い彼女が話し始めた。
「なに?橋田ちゃん」
虚ろな目の彼女が俺に
「私のことどう思います?」
と言ってきた。
俺はその意味を何となく鵜呑みにして、
「頼りになる後輩だな!」
と答えた。
正しいとは思わないが、多分これでいいんだと思って言ってしまった。
すると帰ってきた言葉は
「すき?」
だった。
なんだよ、照れくさいわけじゃないはずなのに…。
「勿論…すきだぞ?」
は、はずかしい。
顔が熱い。火照ってるのは酒のせいだと思ってくれ…。
彼女は少し微笑んで俺を見ていた。
「んふふっ、わたしもですよ〜」
あの艶めかしい瞳に一瞬理性を失った、その時彼女は俺にキスをした。