硝子の指輪
第3章 劣情と苛立ち
髪の色がセピア色。
オシャレな男性が我社に来た。
見た目はいいのだが、
「え、何やってるの」
「あ、これ手付けちゃったんだけどだめでした?」
「えっ、ちょっと待って…?!」
何でもかんでも聞かずにやってしまう。
通称チャラ男。
彼の名は道島慧くん。私と同い年だ。
だが同期ではなく後輩。
「ねぇ!勝手にこういうことしちゃいけないの!聞かずやらないでって!」
「やあ〜ごめんなさいって〜」
この態度にムカムカする。
「橋田ちゃん、冷静にな…?」
嗚呼…、癒しの先輩。怒っててすみません……。なんでそんなことにはならない!
「ちゃんとしない道島くんが問題なんですよ!」
先輩は焦りつつも私の怒りを沈めてくれる。
はあ、なんて優しいんだか。