硝子の指輪
第4章 愛する気持ち
「なあ、美波?」
「……誰」
キッと睨みつけるかのように私を見た。正直ドキドキしてしまう、違う意味で。
「俺の彼女、いい人だ」
「……あっくんの彼女とか認めないもん」
……あっくん…?
あ、あ、……先輩の名前、絢都ですものなあ…でも可笑しくない……?
「はあ…じゃあ、この指輪どうすればいいのさ」
「だめ!それ!」
そう言って先輩の手をぎゅっと掴む。
「……あっくんは私のだもん」
また私も見る。
私を相当嫌っているんだなあと感じるのだけれども、私は性格が悪いので考えることも酷いです。
「美波ちゃん…だっけ?あのね、私は美波ちゃんと仲良くしたいの。だから…」
「はあ?」
妹さんは私の言葉を無視して言ったのだ。
「だから宜しくね、これからもここに来るから」
でも、結局は思うんだ。
「……」
嫌でも私を認めてもらえればいいんだから、と。