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BL短編

第3章 狂愛

「おーい、葵。元気ねーけどどーした?」
「そう?気のせいじゃないかな?」
「ならいいんだけどよ。なんかあったら言えよ。」

痴漢されてるなんて知ったらどう思うだろう。心配してくれる?それとも馬鹿にされる?そんなことを考えると怖くて言えなかった。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、みんな慌てて席につく。

「授業始めんぞー。さっさと教科書出せ。」

数学の青木先生。男だが、美人という言葉が似合う人だ。

(綺麗な指...)

葵は、チョークを握る彼の手を眺めて、ぼんやりとそんなことを思った。

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