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ジッパー様

第14章 止まらない欲求【片桐side】

 会社を出ると、俺は先に進藤のアパートへと向かった。今気づいたんだが、進藤とハルカのアパートの距離は近い。どうやら進藤は最近引っ越したようだ。


 進藤のアパートの部屋の鍵はかかっていた。ポストや玄関のドアに大量のチラシが挟まっていることから、家に帰ってないことがわかる。


 それはハルカの部屋も同様で、今日もポストにはチラシが入ったままだった。


 まさか本当に、二人は一緒にいるのか?
 だとしたら喫茶店には行っていないのかもしれない。なぜなら、あの喫茶店は男は入れないからだ。


「……っ……」


 嫌な胸騒ぎがする。
 もし進藤がハルカを襲っていたら……。
 進藤がハルカを抱いていたら……。


「……シンヤさん?」


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