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ジッパー様

第15章 ジッパー様との戯れ

 その時、「ガタンッ」と外から音がした。


「なに……?」


 音はガタガタと連続して聞こえる。


「誰かいるの? ……進藤さん?」


 なんとなく私は裏口のドアを開けてみた。
 そこにはなぜか足の折れた椅子が倒れていた。


「椅子……? どうしてこんな所に……」

「ハルカさん」

「は、はいっ!」

「最後のお客様が帰られたので、片付けを手伝ってくれますか?」

「あ、はいっ……」


 私は倒れた椅子を気になりながらも、裏口のドアを閉めた。


「ハルカさん、外にある椅子には、なるべく近づかないでくださいね」

「え……どうしてですか?」

「怪我をするかもしれませんので」


 そう言って微笑んだリコさんの目が少し怖かった。


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