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ジッパー様

第16章 刺激を求めて

「あら、よく覚えてるわね。そうよ、ジッパー様はオスが嫌いなの。オスの気配がすれば、さっきみたいに、男たちの命を奪いかねないわ」

「わかってるのにどうしてっ……」

「言ったでしょ? あなたに会いたい人がいるって」

「……伊崎という人のこと?」

「リコから聞いたのね。ええ、そうよ。伊崎トオル様よ。彼はあなたがジッパー様の手に感じる姿に興味を持ったの。ぜひあなたを一週間貸してほしいって」

「えっ……」

「詳しくは伊崎様から聞くといいわ。明日迎えに来るそうよ」

「待って! 私の返事を聞かないで、承諾したの?」

「伊崎様はうちのお得意様なの。資金も援助してもらってるし、もし断ればジッパー様もここも、なくなってしまうかもしれないのよ。何が言いたいか、わかるわよね?」

「……っ……」



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