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「大丈夫ぅ～？」


　いつのまにか私の隣にメガネをかけた若い女が立っていた。髪は長く、ツインテールにしている。メガネをかけた女は身をかがめ、私に片手を差し出してきた。


「……大丈夫だ」


　私は知らない女の手を取ることなく自力で立ち上がった。少し右足が痛むが大したことではない。それよりも喫茶店の窓から突き刺さるような視線に耐えきれず、早くここから退散したかった。


「もうハルカってば、おっちょこちょいなんだからぁ～」

「！？」


　メガネの女は突然、私の名前を口に出した。
　驚いて女を見ると、女はクスクスと笑っていた。そして勝手に私の服についた草を払いのけ、店員に愛想を振り撒き、まるで知人かのように振る舞った。