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ジッパー様

第20章 過去の記憶

「いやっ、痛いっ……! やめてっ!」


 私は大声で叫んだあと、目を開けた。


「──え?」


 なぜか目の前には見たこともない若い男が、私の上に馬乗りになっていた。しかも男は不気味な薄ら笑いを浮かべて、顔を近づけてくる。


「いやっ……! あなた誰っ……?」


 どうしてこんなところに男が?
 それにここは……どこ?


「なにをしているのよ、二人とも!」

「!」


 突然ドアが勢いよく開いたかと思うと、若い女性が入ってきた。


 いちご……!?


 その女性はいちごによく似ていた。
 メガネはかけてないけど、顔がそっくりだった。髪型もいつもしているツインテールではないけど、下ろしたらこんな感じにお嬢様みたいになると思う。


「ねえ、どうしてタカヒサさんがシホお姉様の部屋にいるわけ!? それに、どうして二人でベッドで寝ているのよ!」


 シホお姉様……?
 どうして私に向かって言うの……?



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