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ジッパー様

第20章 過去の記憶

 私は壁際にある等身大鏡を見てギクッとした。そこには自分ではない若い女性の姿が写っていた。
 

 私ではない。私ではないけど、背中まである黒髪と胸の大きさは同じだった。背も同じかもしれない。でも鏡に写る彼女の方がはるかに綺麗だ。色白で瞳が大きくて、顔のパーツが整っている。スタイルもいい。


「どうして私がシホさんになったの……?」


 何が起きているのかさっぱりわからない。
 サヤといちごが同一人物じゃないなら、ここにいるシホは誰なの?


 私は何か手がかりがないか調べてみることにした。


「シホお嬢様、旦那様がお呼びでございます」


 コンコンと扉をノックする音が響き、メイド服を着た女性が部屋に入ってきた。


「あっ……!」


 私は驚いた。
 なんと彼女はリコさんだった。



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