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ジッパー様

第20章 過去の記憶

 その時、グチュッと父の腰が動いた。


「ひうぅっ……!」

「シホ、感じてはだめだよ。外にいる通行人にバレてもいいのか?」

「い、嫌ですっ……」


 私は前を向いて、なるべく平常心を装った。


「ふっ、まさか見えないところで、父と娘が繋がっているなんて、誰も思わないだろう」

「……っ……」

「おお、今すごく締まったぞ。興奮しているのか、シホ」


 こんなの、やだっ……。
 もう早く抜いて欲しい……。


「タカヒサくんには口止め料を渡しておいた。今後誰かとセックスする時は、必ず私に報告しなさい」

「はい……」


 私に自由はない。
 私は自由に恋愛ができないのだ。
 ううん、父を受け入れてしまった私に自由になる資格はない……。




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