ジッパー様
第20章 過去の記憶
書斎から出て廊下を歩いていると、玄関からサヤの声が聞こえてきた。どうやら母が旅行から帰ってきたらしい。お土産を大量に買ったのか、沢山の荷物が母の部屋に運び込まれていた。
「おかえりなさい、お母様」
私が声をかけると、そばにいたサヤが私を睨み付けた。そして私に近づいてくるなり、平手打ちをしようとした。
「サヤ、やめなさい!」
すかさず、母が止めてくれる。
「だって、お母様! あたしっ……シホお姉様のせいで、また恋人を失ったのよ!?」
「我慢しなさい、サヤ。シホの顔に傷がついたらどうするの」
「お母様っ……!」
母は私を庇ってくれた。
母は優しい人だ。でも……。
「シホに何かあったら、私たちがこの家から追い出されるのよ」
「……っ……」
母は私を愛していなかった。
なぜなら母は後妻だからだ。そしてサヤは連れ子。父は私が十八の時に再婚した。
「おかえりなさい、お母様」
私が声をかけると、そばにいたサヤが私を睨み付けた。そして私に近づいてくるなり、平手打ちをしようとした。
「サヤ、やめなさい!」
すかさず、母が止めてくれる。
「だって、お母様! あたしっ……シホお姉様のせいで、また恋人を失ったのよ!?」
「我慢しなさい、サヤ。シホの顔に傷がついたらどうするの」
「お母様っ……!」
母は私を庇ってくれた。
母は優しい人だ。でも……。
「シホに何かあったら、私たちがこの家から追い出されるのよ」
「……っ……」
母は私を愛していなかった。
なぜなら母は後妻だからだ。そしてサヤは連れ子。父は私が十八の時に再婚した。