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ジッパー様

第21章 ジッパー様との出逢い

 どれくらい経ったんだろう。
 目を開けると、見知らぬ天井が見えた。そしてベッドの脇には父の姿があった。


「……お父様っ!?」


 私は慌てて起き上がる。
 そしてドレスを着ていることに気がついた。


「シホ、大丈夫か?」

「えっ……? あの、お父様……どうしてここに?」


 まさか彼としている時に入ってきた?


「使用人から、シホの体調が悪くなって部屋で休んでいると聞いてな。もう身体は大丈夫なのか?」

「え……、あ……はい……」


 周りをチラッと見ると、彼の姿は見当たらなかった。どうやら鉢合わせしたわけではなさそうだ。


「そうか、安心したよ」

「……」


 私は今までのことを思い出す。
 そういえば父は、ここがどんな場所なのか何も教えてくれなかった。


「あの、お父様……。お父様はどうして私をこんな場所に連れてきたのですか?」

「ん? それはお前の婿探しをするためと言ったはずだが?」

「こんなっ……。身体の相性の合うパートナーを探すために、媚薬を飲ませたりするパーティーで探すとは思いませんでした!」


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