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ジッパー様

第21章 ジッパー様との出逢い

「!」


 まさか人が空を飛べるなんて……これは夢なの? 


「……すごいっ……」


 私は彼が何者かよりも、空を飛べたことにドキドキした。そして彼はまるで小説の物語に出てくる天使のように見えた。


 街や人が小さくなっていく。
 私を縛り付けようとした黒澤もどんどん離れていく。このまま何処かへ行ってしまえたら、私は自由になれる……!


「ここなら追手は来ないはずです」


 彼は山の中にある大きな屋敷の敷地内に降り立った。


「ここは……?」

「私の屋敷です。あなたの身の回りの世話はメイドがしますので安心してください」


 私はホッとした。
 逃げることだけ考えて、その先のことを考えていなかったから、安全な場所に居られることを心から感謝した。



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