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ジッパー様

第22章 ジッパー様の正体

 全ての話を聞いて、私は信じられない気持ちでジッパー様の姿を見つめた。


 こう見れば普通の人間なのに、本当の姿は人ですらないなんて……。


「長く話しすぎてしまいましたね。疲れてはいませんか?」

「大丈夫……です……。私はジッパー様を……」

「シホ、言ったでしょう? 無理に受け止めなくていいのです。今は混乱して当然です。ただ……私はあなたをずっと騙したままでいたくはなかった」

「……ジッパー様……」

「あなたに初めて触れた時、私の中で変化が起きました。それは今までになかった感情です。子孫を残すために行為をするのではなく、もっと別の……うまく言い表せませんが、もう一度あなたに触れたいと思ったのです」

「……っ!」


 じゃあやっぱりあの手紙はジッパー様からの……。


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