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ジッパー様

第6章 意外な繋がり

 びっくりした。メガネ女にこのビルで出くわすなんて、まさかここで働いてるの?
 さっきみたいに平気で喫茶店のことを口に出されたら、変な噂が立ってしまう。もし片桐部長の耳に入ったら、軽蔑されかねない。しばらくは警戒しないと……。


 不安がよぎるけど、でも今はそれよりも急いでやらなければならないことがある。
 ホテルのレストランに着ていく服を探すことだ。


 私は定時で退社すると、ショッピング街へと向かった。いくつか洋服屋を見て回るが、場違いだと感じてなかなか踏み込めない。


 どうしよう……。
 どんな服がいいのか、さっぱりわからない。


 私は等身大の鏡に写る自分を見る。
 短い髪にTシャツとジーパンで、良く言えばボーイッシュ。悪く言えばもさい田舎娘だ。


 今まで全くお洒落をしてこなかった結果がこれだ。そんな私がいきなりお洒落をするなんて無理がある。


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