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ジッパー様

第22章 ジッパー様の正体

「シホ、大丈夫。ここに敵はいない。二人とも、私たちに危害を加えたりしないですから、安心して過ごしてください」


 ジッパー様は私の心の内を読んだかのように言った。


「あなたを不安にさせてしまい、すみません。今日はもうゆっくり休んでください」


 そう言うと、ジッパー様は私を見つめ、そっと頬に触れた。


「……ジッパー様……」


 本当の話を聞いても、愛しい人の手だということは変わらない。私はその手に自分の手を重ねると、ジッパー様の顔が綻んだ。


 ジッパー様が部屋を出て行ったあと、私はベッドに横になった。そして色々考えているうちにいつの間にか寝てしまい、目覚めた時は夜になっていた。



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