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ジッパー様

第6章 意外な繋がり

 私は値札を確認する。スカートだけで二万もするなんて……。


「お客様。失礼ですが、服に合いそうな靴や鞄はお持ちですか? あとお化粧品も……」

「……っ」


 だめだ。全部揃えたらいくらになるかわからない。それにこんなの……やっぱり私には似合わない!


「すみません、やめます!」


 私は着替えて洋服屋を飛び出した。


 明日、片桐部長に謝ろう。
 せっかく予約までしてくれたのに、着ていく服を一着も持ってないなんて、きっと呆れられるに違いないし、もう食事に誘われることもないだろう。


「いいんだ、これで。だって片桐部長には素敵な奥さんがいるんだから……」
 


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