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ジッパー様

第23章 絶望

「おい、お前! シホ様から離れろ!」


 その時、近くにいた警察官がマヤに銃口を向けた。瞬間、薔薇のツルが地を這って動き出し、足元から警察官の身体に巻き付いた。


「うわあああっ!!」

「!!」


 薔薇のツルは次々と警察官たちの身体に絡みつく。


「ギルバートっ……!!」


 なんと、ギルバートさんは生きていた。カッと目を開いて私たちに振り返ると、


「……二人とも、ジッパー様のもとへ……!」


 そう言って、薔薇のツルにある棘で警察官たちの身体を切り裂いた。


「うわあああっ!!」

「撃て!! 奴を撃てぇぇっ!!」

「シホ様、こっちへ!!」


 警察官たちが銃を乱射する中、マヤは私の手を引いて屋敷の敷地内から脱出する。でも背後から数人の警察官と警察犬が追いかけてきた。



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