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ジッパー様

第23章 絶望

「ジッ――」

「やったぞ! 化け物を撃ったぞ!」

「そこの狼も撃て! 娘は保護しろ!」


 周りが何か叫んでいる。でも私の耳には騒音にしか聞こえなくて、その騒音も次第になくなり、ついには何も聞こえなくなった。


 私の目の前にいたジッパー様は何度も銃弾を受け、血を流して倒れている。


 守らなければ……
 私がジッパー様を守らなければ!
 でも身体が動かない!


「シホ、逃げて!!」


 マヤの声が最後に聞こえたような気がしたけど、私の身体は動かず、そのまま意識を失った――……。








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