テキストサイズ

ジッパー様

第24章 囚われ

「はあっ、はあっ、はあっ……」


 私は追手から逃れるため、屋敷内を走っていた。階段を上り、廊下を走り、奥の部屋へと入って鍵を閉める。


「……っ……」


 追手の気配がなくなるまで息を殺していると、私を追いかける靴の音はどんどん遠ざかっていった。


「シホ」


 ホッとしたのも束の間、背後で名前を呼ばれ、私はビクンと身体を震わせた。
 

「……っ……」


 恐る恐る振り返る。でも背後に立つ人物の姿を見た瞬間、ぎゅっと胸が締め付けられた。


「……ジッパー様っ!」

「シホ!」


 私はジッパー様の胸に飛び込んだ。


「ジッパー様、生きていたのねっ……!」

「シホっ……あなたに会いたかった!」


 私たちはお互いを強く抱きしめ、深いキスを交わした。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ