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ジッパー様

第24章 囚われ

 何だか、いつものジッパー様と様子が違う。ジッパー様はそんな下品なことは言ったりしない。何かが、おかしい。


「はあああ〜、たまらんな、この感触……スベスベして柔らかくて、この尖った乳首もうまそうだ」


 するとジッパー様は私の乳房を乱暴に掴むと、乳首を吸い始めた。


「いやっ……やめて!」


 その時、私はハッと両目を見開いた。


「……えっ……」


 どこかで見たことのある天井を見て、動悸が激しくなる。
 そこは九条家の屋敷の父の書斎だった。どうやら私は夢を見ていたようで、そこにジッパー様の姿はなかった。


「……うっ……」


 現実を思い出して、悲しみが込み上げてくる。ジッパー様は私を助けようとして撃たれてしまった。マヤもギルバートさんも生きているのかさえ、わからない。



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