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ジッパー様

第24章 囚われ

 それから一週間が経った。
 私はこの屋敷に連れ戻されてから、外の景色を見ていない。窓は全て板で閉ざされ、外にも出させてもらえなかった。


「ジッパー様……」


 私は自分の部屋で、閉ざされた窓に向かって呟く。もう窓の隙間から小鳥が入ってくることもできない。


 私は手を合わせ、祈る。
 生きていてほしい、そう願った。
 マヤとギルバートさんと三人で、あの屋敷で幸せに暮らしていてほしいと……。


 じわっと涙がこみ上げる。
 もう涙は出尽くして枯れたと思ったのに……。


「ジッパー様っ……、会いたいっ……」


 私の口から想いが溢れ出てくる。
 忘れようと思っても、忘れることなんてできず、むしろ想いは強くなっていく。


「シホ! 今なんと言った!?」


 その時、父が私の部屋の中に勢いよく入ってきた。



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