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ジッパー様

第24章 囚われ

 私は自分の耳を疑った。
 まさかジッパー様がここに居たなんて……!
 

「嘘ではありませんよ。なんなら、今から会わせてあげましょうか?」

「……っ!」


 私はゴクリと息を飲んだ。
 会えるのなら会いたい……。でも本当にこのメイドを信用していいのか悩む。


「早くしないと、警察がジッパー様を連れて行ってしまいますよ?」

「えっ……?」

「ジッパー様はルーアニアの研究施設から脱走した尋ね人だったのです。旦那様はそれを知って研究施設の人間と交渉し、多額のお金と引き換えに、ジッパー様を引き渡そうとしているのです」

「!!」


 そんなっ……また研究施設に戻されたら酷いことをされてしまう! 


「さあ、シホお嬢様。ジッパー様を助けに行きましょう」


 私は頷き、急いで服を着て部屋を出た。



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