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ジッパー様

第24章 囚われ

 父はどうやら屋敷の外にいるようだった。私たちは階段を下りて一階の廊下の突き当たりまで行くと、メイドが壁を押した。


「!」


 壁は隠し扉になっており、開けると更に鉄のドアがあった。


「この先にジッパー様がいます」

「……っ……」


 私の心臓がドクドクと脈打つ。
 こんな隠し部屋にジッパー様をずっと閉じ込めていたなんて、酷すぎる……!
 メイドは生きていると言っていたけど、たぶん身体は健康な状態ではないだろう。


「良かったですね」

「えっ……?」

「本当はこの部屋、シホお嬢様を閉じ込めておくようにあとから作ったものなんです」

「!」

「代わりにジッパー様が入ってくれて良かったですね」


 メイドはニコッと笑う。


「……何を言ってるの……?」


 ジッパー様が代わりに入って良かったなんて思わない。やっぱりこのメイドもどこかおかしい。



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