テキストサイズ

ジッパー様

第25章 連鎖

「私は彼が何者だろうと、彼を愛してます……!!」


 私がはっきりそう言うと、父はワナワナと身体を震わせた。


「来なさい、シホ! お前は洗脳されているのだ! 今すぐ躾し直してやろう!」


 父は私の手首を掴むと、部屋の外に連れて行こうとした。
 その時、父の首に何かが巻き付く。


「ぐわあああっ!」


 それは、白い手だった。白い手はジッパー様の方から伸びている。


「ぐっ……きさ、ま……!」


 ジッパー様は目を覚ましていた。拘束具はすでに外しており、胴体から生えた腕で父の首を締めていた。


「……シ……ホっ……、たすけて……くれっ……」


 父が苦しそうな表情で私に助けを求める。


「……お父様っ……」


 私は複雑な気持ちになった。散々私を苦しめ凌辱してきた父なのに、いざ死にゆく姿を見ると動揺してしまう。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ