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ジッパー様

第25章 連鎖

「九条殿! ぬおおおっ、この化け物めえぇぇ!」


 事態に気づいた警察官が、腰のサーベルを抜いてジッパー様に斬りかかる。
 しかしジッパー様の複数の手によって四肢をバラバラに引きちぎられた。


「……ッ!!」


 血生臭い匂いが辺りに充満する。
 一気にそこは地獄と化した。


 次々と警察官たちが父を助けるためにジッパー様に向かっていく。が、全て殺されてしまった。


「……っ……」


 私はその信じられない光景に、声が発せなくなった。気づけば父もあっけなく首を捻り潰されて死んでいた。


「ふふふ、あははっ!」


 近くで傍観していたメイドが高笑いする。


「さすがは、ジッパー様。ほらね? 人間なんて、私たちからすれば蚊も同然なのよ」


 そう言うとメイドは腕のみをカマキリの刃に変えた。


「あっけなかったわね。これで九条家は、終わりよ」



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