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ジッパー様

第25章 連鎖

 私に向かって、カマキリの刃が振り落とされる。


「―――ッ!」


 死を覚悟した瞬間、複数の白い手がカマキリの刃を受け止めた。


「なにっ!?」


 白い手はカマキリの刃に絡みつくと、ブチッと腕を引きちぎった。


「くっ……!」


 引きちぎられたメイドの腕からは、緑色の液体が吹き出す。


「なぜ……なぜ、その人間を庇う!?」


 ジッパー様は私の身体を包み、守ってくれていた。


「まさか、その人間を愛していると言いたいわけ?」

「そうだ」


 ジッパー様が低い声を発した。


「あはっ! 私たちに愛情なんてあるわけないでしょう? 人間の姿になって、人間の真似をして、そう錯覚しているだけよ」


 話しながら、徐々にメイドの腕が再生していく。


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