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ジッパー様

第25章 連鎖

「……シホをこんな目に合わせてしまい、すまない……。私はあなたの父親が、どうしても許せなかったっ……」

「……っ」


 私は首を左右に振りたかったが、身体が硬直して言うことを聞かない。


 ジッパー様を抱きしめたい。
 あなたを愛してますと伝えたい。


「……シホ、私はあなたに許されなくてもいい。私はあなたをずっと愛――」


 ジッパー様が何かを言いかけた時、ジッパー様の身体がピタリと動かなくなった。


「……っ……」


 私は心の中でジッパー様の名前を何度も呼ぶ。すると、


「やっと見つけましたよ、ナンバー6」


 見知らぬ男の声がジッパー様の背後から聞こえた。


「さあ、帰りましょうね、我が研究施設へ」


 その声の主は、注射器を片手に持っていた。どうやらそれをジッパー様の首に刺したみたいだった。


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