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ジッパー様

第25章 連鎖

「どうしてっ……」

「あらまあ、そろそろかと思いましたけど、まさかこのタイミングで効果が切れるなんて、いちご様……いえ、サヤ様、ご愁傷様です」

「!」


 リコさんの態度が豹変した。
 しかも今、サヤ様って……!


「いやあああっ!! 私の顔がっ……手がぁぁぁ!!」


 いちごの姿は完全に老婆になった。


「なんや、一体何が起きてるんや!?」

「そういえば、研究員が言っていたな。あの化け物の体液には、老化を止める作用があると」
 
「!」


 じゃあ、いちごはずっと若い姿のまま七十年も生きてきたの!?


「その通りです、伊崎社長。ルーアニアの研究施設に行ってきたのですね?」

「ああ。あの化け物の血を体内に入れた瞬間から、化け物の記憶がインプットされたからな」

「! じゃあ、ジッパー様とシホさんの記憶も……?」


 私はみんなに、肉の塊のジッパー様の中で、二人の記憶を見せられたことを説明した。


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