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ジッパー様

第25章 連鎖

「で、ハルカさん。肉の塊のジッパー様とは、まぐわらないんですか?」

「……っ!」


 いちごに言われたことを、今度はリコさんが問い詰めてきた。


「まぐわらないなら、私が処分しますがいいですか?」

「だめっ! そんなの、処分だなんてっ……」


 私は肉の塊のジッパー様に向き直る。
 私にあの記憶を見せたということは、私はシホさんの生まれ変わりなのかもしれない。
 だから私がジッパー様とまぐわれば、ジッパー様は元の姿に戻れる……?


「待って、ハルカちゃん!」


 私はセイヤさんに引き止められた。


「その役目は、ハルカちゃんではあかんのや!」

「えっ……」


 その時、部屋のドアがゆっくりと開いた。入ってきたのは、杖をついた九十歳くらいのおばあさんだった。



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