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ジッパー様

第25章 連鎖

「……まさかっ……」


 私はすぐに察した。すっかり変わってしまったけど、彼女は九条シホだ。シホさんはずっと生きていたんだ。


 老婆姿の九条シホはゆっくりとこっちに歩いてきた。そしてジッパー様の姿をした伊崎社長の前で立ち止まると、伊崎社長の顔を見上げた。


「……お前も私の愛が欲しいのか?」

「あなたはジッパー様じゃない」


 はっきりそう言うと、老婆のシホさんは再び歩を進めた。そして肉の塊のジッパー様の前まで来ると、ほろりと涙を流す。


「ジッパー様っ……。私はシホです……。あなたにずっと、会いたかった……!」


 シホさんは泣きながら、肉の塊に触れる。するとそれに答えるように、肉の塊が動き出し、シホさんの身体を取り込んだ。



 

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